歴代ドラえもん劇場版全44作の興行収入ランキング最新版を公開します。
1980年公開の第1作『のび太の恐竜』から、最新作『のび太の絵世界物語』(2025年3月公開)まで、その興行成績を徹底分析。日本映画において興行収入30億円超は“大ヒット”の証ですが、21世紀以降のドラえもん映画はほとんどがこの記録を突破しています。中でも、2018年『のび太の宝島』(53.7億円)、2019年『のび太の月面探査記』(50.2億円)、そして2024年以降の『地球交響楽』(42~43億円台)など、シリーズの黄金期と言える傑作揃い。
それに続く最新作『絵世界物語』も、公開3週で既に21億円を突破し、堂々のトップ5入りが期待されています。
本ランキングでは、作品ごとの公開年・ゲスト声優・主題歌とともに、興収30億円超の“ヒットライン”を解説。なぜその作品が当たったのか、世代や時代のトレンドも交えながら、その魅力の理由に迫っていきます。ファミリー層・大人のファンにも響いた傑作たちを、ぜひこの機会に再確認してください。
【2025年最新】歴代ドラえもん映画 興行収入ランキング 1位~10位
1位:STAND BY ME ドラえもん
興行収入 | 83.8億円 |
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上映時間 | 95分 |
公開年 | 2014年8月8日 |
『STAND BY ME ドラえもん』は、2014年に公開された、ドラえもん初のフル3DCGアニメ映画です。藤子・F・不二雄による原作の名エピソードを再構成し、のび太とドラえもんの出会いから別れ、そして再会までを一本の物語として描いています。監督は山崎貴と八木竜一が務めました。
物語は、未来のセワシがのび太のダメな人生を変えるために、ロボットのドラえもんを現代に送り込むところから始まります。最初は何をやっても失敗ばかりだったのび太ですが、しずかとの未来を変えるため、そしてドラえもんがいなくても自分の力で生きていけるようになるために、少しずつ成長していきます。
この映画では「さようなら、ドラえもん」や「しずかちゃんの結婚前夜」など、原作やアニメでも特に人気の高いエピソードがベースとなっており、長年ドラえもんに親しんできたファンにとっては非常に感慨深い内容になっています。感動的な場面が多く、「子ども向け」というイメージを持たれがちなドラえもんの印象を覆す、大人も泣けるドラマとして多くの支持を集めました。
映像面では、キャラクターのデザインや世界観を原作に忠実に保ちながらも、最新のCG技術でリアルな表現が加えられており、従来のアニメとは違った深みがあります。また、声優はTVアニメ版と同じキャストが担当しており、親しみやすさと安心感もありました。
本作は日本国内で大ヒットし、興行収入は80億円を超え、アジア圏でも高い人気を獲得しました。その成功を受け、2020年には続編『STAND BY ME ドラえもん2』が公開され、のび太の祖母との約束やしずかとの結婚式をテーマに描かれています。
『STAND BY ME ドラえもん』は、成長や別れ、自立といった普遍的なテーマを扱い、子ども時代にドラえもんを見ていた人々が「大人になってから見るドラえもん」として楽しめる作品です。温かく、少し切なく、けれど前向きな気持ちになれる映画として、多くの人に愛されています。
2位:映画ドラえもん のび太の宝島
興行収入 | 53.7億円 |
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上映時間 | 109分 |
公開年 | 2018年3月3日 |
『映画ドラえもん のび太の宝島』は、2018年に公開されたドラえもん映画シリーズの第38作目です。監督は今井一暁、脚本は川村元気が担当し、興行収入は50億円を超える大ヒットとなりました。
本作は、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの『宝島』に着想を得て、のび太たちが“宝の島”を探して大冒険を繰り広げる物語です。物語の中では、友情、家族の絆、成長といったテーマが描かれており、感動とスリルのバランスが取れた作品になっています。
あらすじとしては、のび太が夏休みに宝島を見つけたいと言い出したことから、ドラえもんたちは「宝探し地図」で本当に宝の島を発見します。しかしその島は、ただの島ではなく、海を移動する“動く宝島”でした。やがて、そこに暮らす少年フロックと出会い、彼の家族をめぐる秘密、島の正体、そして謎の海賊たちとの戦いに巻き込まれていきます。
本作の特徴の一つは、のび太の行動力と成長が強く描かれている点です。いつもは頼りない彼が、大切な人のために勇気を出して行動する姿が印象的で、観客からも高い評価を得ました。また、音楽には星野源の「ドラえもん」が主題歌として使用され、作品の世界観にぴったりと合ったエンディングとなっています。
『のび太の宝島』は、家族で楽しめるエンターテインメントであると同時に、のび太というキャラクターの魅力を再確認できる感動作です。アクション、笑い、涙が詰まった、現代的で完成度の高い作品と言えるでしょう。
3位:映画ドラえもん のび太の月面探査記
興行収入 | 50.2億円 |
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上映時間 | 111分 |
公開年 | 2019年3月1日 |
『映画ドラえもん のび太の月面探査記』は、2019年に公開されたドラえもん映画の第39作目です。監督は八鍬新之介、脚本は小説『君の膵臓をたべたい』で知られる作家・住野よるが担当しました。住野による脚本は、これまでのシリーズにはなかった文学的な雰囲気や心理描写を取り入れており、ファンの間でも高く評価されています。
物語は、のび太が学校で「月にウサギがいる」と言い張ったことがきっかけで始まります。その嘘を実現するため、ドラえもんのひみつ道具「異説クラブメンバーズバッジ」を使って、空想の中にあるウサギの王国を月に作り上げるところから物語は動き出します。やがて月で出会った不思議な少年ルカとその仲間たちを通して、のび太たちは「月の裏側」に隠されたもうひとつの文明、そして彼らの故郷に起きている危機と対峙することになります。
この作品の魅力は、SFとファンタジーが絶妙に融合している点にあります。月の裏側に存在する架空の世界や、異星人のような存在との出会いは、ドラえもんらしい空想の広がりを見せながらも、登場人物の内面や友情の深まりを丁寧に描いています。特に、のび太の優しさや勇気、相手を思いやる気持ちがしっかりと描かれており、彼の成長物語としても見応えがあります。
また、主題歌には平井大の「THE GIFT」が起用されており、映画全体のやさしくあたたかい雰囲気とよく合っています。歌詞もストーリーとリンクしており、エンディングでは感情を包み込むように響きます。
『のび太の月面探査記』は、シリーズ伝統の「友情」「冒険」「成長」という要素に加え、現代的な価値観や文学的な余韻を持つ作品です。子どもにとっては夢とワクワクを、大人にとっては少し切ない余韻と優しいメッセージを残してくれる映画です。従来のドラえもん映画に新しい風を吹き込んだ作品として、多くの人に勧められる一本です。
4位:映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険
興行収入 | 44.3億円 |
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上映時間 | 101分 |
公開年 | 2017年3月4日 |
『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』は、2017年に公開されたドラえもん映画シリーズの第37作目です。監督は高橋敦史、脚本はシリーズ初参加の同氏が担当し、壮大なスケールの中でSFと冒険、そして時空を超えた物語が展開されます。
物語は、猛暑の夏に涼しい場所を求めて、ドラえもんたちが南極に向かうところから始まります。氷の大地で偶然見つけたのは、10万年前の謎のリング。その調査を進めるうちに、彼らは太古の南極に文明が存在していた痕跡を発見し、過去と現在をつなぐ大きな冒険に巻き込まれていきます。
この映画の最大の特徴は、広大な南極という舞台と、過去と未来を行き来するタイムトラベル的要素です。のび太たちは10万年前の地球へと移動し、氷に閉ざされた古代文明の謎を解き明かそうとします。その中で出会う少女ヒャッコイや、地球の危機を救うために戦う姿は、まさに「未来と過去をつなぐ冒険」と言える内容です。
本作は映像面でも評価が高く、広大な氷の世界の美しさや、遺跡や巨大構造物の描写が非常に緻密に作られています。また、寒さや氷という環境を活かしたギミックやひみつ道具の使い方にも工夫が見られ、ファンタジーとしてだけでなく、科学的な興味も刺激されます。
主題歌には平井堅の「僕の心をつくってよ」が採用され、感動的なクライマックスに寄り添うような、優しくも力強い楽曲となっています。
『のび太の南極カチコチ大冒険』は、壮大なスケールとミステリー要素、そして友情と勇気の物語がバランスよく組み合わさった作品です。タイムトラベル、古代文明、環境テーマなど、子どもにも大人にも楽しめる仕掛けが詰まっており、シリーズの中でもSF色の強い冒険譚となっています。
5位:映画ドラえもん のび太と空の理想郷
興行収入 | 43.4億円 |
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上映時間 | 107分 |
公開年 | 2023年3月3日 |
『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』は、2023年に公開されたドラえもん映画シリーズの第42作目にあたる作品です。監督は堂山卓見、脚本は古沢良太(『コンフィデンスマンJP』『ALWAYS 三丁目の夕日』などで知られる)が手がけ、シリーズの中でも“思想的な深み”と“エンタメ性”の両立が際立つ作品として注目を集めました。
物語は、のび太が空に浮かぶ理想の楽園を夢見て、「本当にそんな場所があるはずだ」と言い張ったことから始まります。ドラえもんの道具「タイムツェッペリン号」に乗って空を探索するうち、彼らは空に浮かぶ完璧な世界「パラダピア」にたどり着きます。そこは誰もが優しく、争いもなく、理想的な社会が実現しているように見える場所でした。
しかし、理想郷には隠された秘密がありました。この楽園は、住人たちが“ある装置”によって完璧な存在に調整された世界だったのです。自由と個性が排除され、すべてが管理された秩序の中にあることに気づいたのび太たちは、ほんとうの理想とは何かを考えながら、住人たちと向き合っていきます。
この作品は、自由と管理、個性と平等、正しさと幸せといった現代的なテーマを内包しながらも、それを子どもにもわかりやすい冒険物語としてまとめあげています。のび太の「できないままでもいい、でも自分で考えたい」という姿勢が強く描かれ、彼の優しさや信念が物語の鍵になります。
ゲストキャラクターとして登場するのは、「パーフェクトネコ型ロボット」のソーニャ。声を演じたのはKing & Princeの永瀬廉で、ソーニャは理想を守ろうとする側の立場でありながら、のび太たちとの関わりを通して心を揺り動かされていく複雑な役どころでした。
主題歌はNiziUの「Paradise」。軽やかで前向きなメロディと歌詞が作品のメッセージと調和し、印象的なエンディングを演出しています。
『のび太と空の理想郷』は、見た目は明るく楽しげな冒険アニメでありながら、その裏には「本当の幸せとはなにか」「理想とは誰が決めるのか」という深い問いが流れています。子どもにとってはワクワクする冒険を、大人にとっては現代社会への問いかけを含んだ、完成度の高い作品となっています。シリーズの中でも比較的哲学的な色合いが強く、何度でも見返したくなる一本です。
6位:映画ドラえもん のび太の地球交響楽
興行収入 | 43.1億円 |
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上映時間 | 115分 |
公開年 | 2024年3月1日 |
『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)』は、2024年に公開されたドラえもん映画シリーズの第43作目の作品です。監督は今井一暁、脚本は内海照子が務め、「音楽」をテーマにした感動的かつファンタジックな物語が展開されました。
物語は、のび太が音楽の授業で落ちこぼれたことから始まります。自分には音楽の才能がないと思い込むのび太は、ドラえもんのひみつ道具の力を借りて、音楽と心を通わせる冒険に出ることになります。舞台は、「音楽であふれる世界」──地球の音そのものとつながる、幻想的な場所です。
そこで彼らが出会うのが、音楽を司る謎の少女・ミッカ。ミッカの導きで、のび太たちは地球の自然や生き物の「音」と共鳴し合いながら、音楽の本質に触れていきます。しかし同時に、地球から音を奪おうとする存在「フンゴ」による脅威が迫っていました。音が消えるということは、生命のリズムが失われていくことを意味します。のび太たちは、地球の“音”を守るために、音楽の力と自分たちの心で立ち向かいます。
この作品は、「音楽は誰かと気持ちを分かち合う手段である」というメッセージを軸にしています。音楽的な才能や技術ではなく、気持ちを込めて奏でることが大切なのだという、優しく力強いテーマが貫かれています。のび太が“音楽ができない子”から“音楽を通して誰かを助けられる子”へと変化していく過程は、彼の人間的な成長をしっかりと描いており、多くの観客の共感を呼びました。
また、映像では音と映像が融合した幻想的な演出が多く使われ、自然の音、生き物の音、人間の心の音が交錯するシーンはとても印象的です。音楽監修は服部隆之が担当し、オーケストラを用いた壮大で美しいサウンドトラックが、映画全体の雰囲気を豊かに彩っています。
主題歌はVaundyによる「タイムパラドックス」。現代的で感性豊かな歌詞が、のび太たちの冒険や内面的な葛藤を象徴的に表現しており、エンディングで深い余韻を残します。
『のび太の地球交響楽』は、これまでのシリーズの中でも特に「芸術性」「情緒性」の高い作品であり、子ども向けでありながら、大人の心にも深く響く作品となりました。「音楽って何だろう」「どうすれば誰かの心に届くのか」といった、シンプルながらも深い問いを、ドラえもんらしい優しさとファンタジーで描いています。
シリーズを初めて見る人にもおすすめできる完成度であり、心に残る“音”をテーマにした一本です。
7位:映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生
興行収入 | 41.2億円 |
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上映時間 | 103分 |
公開年 | 2016年3月5日 |
『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』は、2016年に公開されたドラえもん映画シリーズの第36作目です。1989年に公開された『映画ドラえもん のび太の日本誕生』のリメイク作品であり、監督は八鍬新之介が務めました。物語は、のび太が家出を決意し、ドラえもんたちとともに7万年前の日本へタイムスリップするという冒険が描かれています。
物語の中で、のび太たちは原始時代の日本で自分たちだけの楽園を作り上げ、遊びながら過ごします。しかし、現代に戻ると、時空乱流に巻き込まれた原始人の少年・ククルと出会います。ククルによると、彼の家族が住むヒカリ族の村が、精霊王ギガゾンビとクラヤミ族に襲われてしまったとのこと。のび太たちは、ククルとともに再び原始時代へ戻り、ヒカリ族を救うために立ち上がります。
この映画は、友情や勇気、家族の絆といったテーマを描きながら、原始時代の日本を舞台にした壮大な冒険が展開されます。原始人の少年・ククルとの出会いや、ヒカリ族を守るための戦いを通じて、のび太たちの成長が描かれています。
『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』は、ドラえもん映画の中でも特に人気の高い作品の一つであり、家族全員で楽しめる内容となっています。
8位:映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館
興行収入 | 39.8億円 |
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上映時間 | 2013年3月9日 |
公開年 | 103分 |
『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』は、2013年に公開されたドラえもん映画シリーズの第33作目です。監督は寺本幸代、脚本は清水東が担当し、未来の「ひみつ道具博物館」を舞台に、ドラえもんとのび太たちが繰り広げる冒険が描かれています。
物語は、ドラえもんの鈴が怪盗DXに盗まれたことから始まります。手がかりを求めて未来のひみつ道具博物館に向かうドラえもんたち。そこでは、数多くのひみつ道具が展示されており、夢のような世界が広がっています。しかし、博物館内でも怪盗DXによる盗難が続発し、ドラえもんたちは大切なひみつ道具を取り戻すために立ち上がります。
この映画は、ひみつ道具の魅力を存分に楽しめる内容となっており、特に「未来の博物館」という設定が新鮮で、観客にワクワク感を与えました。また、怪盗DXの正体や、物語の結末には驚きの展開が待っており、最後まで目が離せません。
主題歌にはPerfumeの「未来のミュージアム」が起用され、映画の雰囲気と見事にマッチしています。
『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』は、ひみつ道具ファンやドラえもんの冒険が好きな方におすすめの作品です。
9位:映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記
興行収入 | 39.3億円 |
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上映時間 | 100分 |
公開年 | 2015年3月7日 |
『映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)』は、2015年に公開されたドラえもん映画シリーズの第35作目です。監督は大杉宜弘、脚本は清水東が担当し、SFとアクション、コメディを融合させた冒険活劇が展開されます。
物語は、のび太がテレビのヒーロー番組『ミラクルヒーロー銀河防衛隊』に憧れ、仲間たちとともにヒーロー映画を制作するところから始まります。ドラえもんは、ひみつ道具「バーガー監督」を使って本格的な映画制作をサポート。しかし、撮影後に現れた宇宙人・アロンから、彼の故郷であるポックル星を救ってほしいと頼まれ、のび太たちは本物のヒーローとして宇宙の冒険に巻き込まれていきます。
本作は、ヒーローものの要素を取り入れつつ、のび太たちの成長や友情を描いています。特に、のび太が自分の力を信じ、仲間と協力して困難に立ち向かう姿が感動的に描かれています。
主題歌にはmiwaの「360°」が起用され、映画の雰囲気とマッチした楽曲となっています。
『映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記』は、SFやアクションが好きな方や、ドラえもんの冒険を楽しみたい方におすすめの作品です。
10位:ドラえもん のび太の南海大冒険
興行収入 | 38.1億円 |
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上映時間 | 91分 |
公開年 | 1998年3月7日 |
『映画ドラえもん のび太の南海大冒険』は、1998年3月7日に公開されたドラえもん映画シリーズの第19作目であり、大長編シリーズ第18作目です。監督は芝山努、脚本は岸間信明が担当し、原作は藤子・F・不二雄による藤本弘の短編漫画を基にしています。
物語は、のび太が宝探しの冒険を夢見て、ドラえもんとともに南海の宝島を目指して航海に出るところから始まります。途中、時空の嵐に巻き込まれ、17世紀の海賊時代にタイムスリップしてしまいます。そこで出会った少年ジャックやピンクのイルカ・ルフィンと協力し、海賊団との戦いや謎の島での冒険を繰り広げます。
本作は、海賊や宝探しといった冒険要素を取り入れつつ、友情や勇気といったテーマが描かれています。特に、のび太が自分の力で困難に立ち向かう姿勢が強調されており、成長物語としても楽しめます。
また、映画公開を記念して帆船「ドラりん丸」が作られ、映画のラストシーンにも同様のデザインの船が登場しています。
音楽は大江千里が担当し、主題歌には吉川ひなのの「ホットミルク」が起用されています。
本作は、海賊や冒険が好きな方や、ドラえもんの成長物語を楽しみたい方におすすめの作品です。
【2025年最新】歴代ドラえもん映画 興行収入ランキング 11位~20位
11位:ドラえもん のび太の日本誕生
興行収入 | 36.7億円 |
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上映時間 | 100分 |
公開年 | 1989年3月11日 |
『映画ドラえもん のび太の日本誕生』(旧盤)は、1989年に公開されたドラえもん映画シリーズの第10作目です。監督は芝山努が務め、原作は藤子・F・不二雄による同名の長編漫画をベースにしています。
物語は、のび太が学校でいじめられたことに悩み、家出を決意してドラえもんとともに7万年前の原始時代の日本へタイムスリップするところから始まります。そこで彼らは、原始人たちが暮らす世界に遭遇し、自分たちだけの楽園を築こうと奮闘します。しかし、精霊王ギガゾンビとクラヤミ族という敵の脅威に直面し、のび太たちは原始人の少年ククルと力を合わせて村を守るために立ち上がります。
この作品は、友情や勇気、家族の絆をテーマにしながらも、原始時代の生活や文化を描写し、壮大な冒険として仕上げられています。当時の作画や演出は現代のリメイク版とは異なる味わいがあり、多くのファンに愛されてきました。
主題歌は吉川晃司の「この星がなくなるまえに」で、力強く感動的な曲が映画の世界観を盛り上げています。
『のび太の日本誕生』旧盤は、シリーズの中でも特に人気の高い作品であり、オリジナルの魅力を味わいたい方におすすめです。
12位:ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記
興行収入 | 36.3億円 |
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上映時間 | 99分 |
公開年 | 1997年3月8日 |
『映画ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』は、1997年に公開されたドラえもん映画シリーズの第18作目です。監督は芝山努が務め、原作は藤子・F・不二雄による同名の長編漫画をベースにしています。
物語は、のび太がドラえもんとともに22世紀の福引で当てた小惑星に「ねじ巻き都市」を築き上げるところから始まります。しかし、そこへ凶悪犯・熊虎鬼五郎がやって来てしまい、都市は混乱に陥ります。のび太たちは、鬼五郎の策略を阻止し、都市を守るために立ち上がります。
本作は、SFと冒険を融合させたストーリー展開が特徴で、のび太たちの成長や友情が描かれています。また、鬼五郎というキャラクターの魅力も話題となり、シリーズの中でも高い評価を受けています。
『映画ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』は、SFや冒険が好きな方や、ドラえもんの成長物語を楽しみたい方におすすめの作品です。
13位:ドラえもん のび太の宇宙漂流記
興行収入 | 36.3億円 |
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上映時間 | 93分 |
公開年 | 1999年3月6日 |
『映画ドラえもん のび太の宇宙漂流記』は、1999年に公開されたドラえもん映画シリーズの第20作目です。監督は芝山努が務めました。
物語は、のび太たちが宇宙旅行に出かけるところから始まります。しかし、突如宇宙船がトラブルに見舞われ、彼らは広大な宇宙を漂流することになります。漂流中に未知の星々を訪れ、多様な生命体や文明と出会いながら、脱出方法を探し冒険を続けます。
この映画は、宇宙という壮大な舞台を背景に友情や勇気、困難に立ち向かう姿を描いています。SF要素が強く、宇宙船や異星の描写も丁寧に作られており、迫力ある映像が魅力です。
『のび太の宇宙漂流記』は、宇宙冒険ものが好きな方や、ドラえもんの仲間たちの絆を楽しみたい方におすすめの作品です。
14位:映画ドラえもん のび太と奇跡の島 アニマルアドベンチャー
興行収入 | 36.2億円 |
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上映時間 | 99分 |
公開年 | 2012年3月3日 |
『映画ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』は、2012年に公開されたドラえもん映画シリーズの第32作目であり、完全オリジナルストーリーの長編映画です。監督は楠葉宏三が務め、脚本は清水東が担当しました。原作は藤子・F・不二雄によるもので、特に1978年の短編『モアよ、ドードーよ、永遠に』をベースにしています 。
物語は、のび太とドラえもんがタイムトリモチを使って絶滅した鳥「モア」を現代に連れてきてしまうところから始まります。モアを保護するため、絶滅動物を守る「ベレーガモンド島」へ向かうのですが、そこで島のジャングルに住むロッコロ族の少年ダッケと出会います。ダッケはのび太にそっくりな姿をしており、二人は親子のような関係を築いていきます。しかし、島を外界から守る黄金のカブトムシ「ゴールデンヘラクレス」を狙う悪徳商人シャーマンが現れ、島の平和が脅かされます 。
本作では、絶滅した動物たちが暮らす不思議な島を舞台に、ドラえもんと仲間たちが冒険を繰り広げます。登場する絶滅動物には、モア、ドードー、スミロドン、ギガントピテクス、マンモス、ヘリオポリス、パラケラテリウム、エラスモテリウム、グリプトドン、セラトガウルス、チャリコテリウム、ガストルニスなどがあり、これらの動物たちの描写が話題となりました 。
主題歌は福山雅治の「生きてる生きてく」であり、映画の雰囲気とマッチした楽曲となっています 。
本作は、SF要素や冒険、友情、親子の絆などが描かれており、家族全員で楽しめる内容となっています。ドラえもんの映画の中でも特に人気の高い作品の一つです。
15位:映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の冒険隊
興行収入 | 35.8億円 |
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上映時間 | 109分 |
公開年 | 2014年3月8日 |
『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』は、2014年に公開されたドラえもん映画シリーズの第34作目です。1982年公開の『のび太の大魔境』をリメイクした作品であり、藤子・F・不二雄生誕80周年、テレビアニメ35周年、テレビ朝日開局55周年記念作品として制作されました。
物語は、のび太たちが「大魔境」と呼ばれる秘境を探検する冒険に出かけるところから始まります。途中、ペコという犬の姿をした少年と出会い、彼との絆を深めながら、冒険を続けていきます。ペコは、実はバウワンコ王国の王子であり、王国を守るために戦っているという秘密を持っています。
本作では、原作のストーリーを忠実に再現しつつ、キャラクターたちの心情や成長を丁寧に描いています。特に、ジャイアンの成長が注目されており、彼の弱さと強さが物語を通じて描かれています。
映画のテーマは「友情」であり、仲間を信じる気持ちや、困難に立ち向かう勇気が強調されています。ペコとジャイアンの関係性や、のび太たちの成長が感動的に描かれています。
本作は、原作の魅力を現代の技術で再現し、ドラえもん映画の中でも高い評価を受けている作品です。
16位:映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険7人の魔法使い
興行収入 | 35.4億円 |
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上映時間 | 112分 |
公開年 | 2007年3月10日 |
『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』は、2007年に公開されたドラえもん映画シリーズの第27作目です。1984年公開の『のび太の魔界大冒険』をリメイクした作品であり、監督は寺本幸代が務めました。
物語は、のび太が「もしもボックス」で現実の世界を魔法の世界に変えてしまうところから始まります。魔法が発達した世界では、のび太以外の仲間たちが魔法を使いこなす中、のび太は魔法がうまく使えません。そんな中、魔法を研究する満月牧師とその娘・美夜子と出会い、地球に接近する魔界星の存在を知ります。魔界星は悪魔族が住む星で、地球侵略を企んでいます。のび太たちは、地球を守るために魔界星へと向かうことを決意します。
本作では、魔法の世界での冒険や仲間たちとの絆が描かれています。特に、魔界星の首領であるディマ王との戦いがクライマックスとなり、のび太たちの勇気と成長が強調されています。
主題歌は夏川りみの「ハグしちゃお」であり、映画の雰囲気とマッチした楽曲となっています。
『のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』は、SFやファンタジー要素が好きな方や、ドラえもんの仲間たちの成長を楽しみたい方におすすめの作品です。
17位:ドラえもん のび太とアニマル惑星
興行収入 | 34.7億円 |
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上映時間 | 99分 |
公開年 | 1990年3月10日 |
『映画ドラえもん のび太とアニマル惑星』は、1990年に公開されたドラえもんの長編映画の1つです。正式なタイトルは『ドラえもん のび太とアニマル惑星』で、第11作目にあたります。
物語は、のび太たちが動物が知性を持ち、人間のように暮らす「アニマル惑星」へと冒険に出かける話です。そこで彼らは、動物たちの社会の中で起きる問題や困難に直面しながら、友情や勇気を育んでいきます。
この作品は、動物と人間の共存や自然環境の大切さをテーマにしており、子どもから大人まで楽しめる内容になっています。ドラえもんの持つひみつ道具や仲間たちの個性も活かされていて、冒険や感動の要素が盛り込まれています。
主題歌は、当時のドラえもん映画の定番で、感動的なメロディが物語を盛り上げています。
『のび太とアニマル惑星』は、ドラえもんシリーズの中でも人気の高い作品で、SF的な冒険と動物たちとの交流が好きな方におすすめです。
18位:映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝
興行収入 | 33.7億円 |
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上映時間 | 112分 |
公開年 | 2008年3月8日 |
『映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝』は、2008年に公開されたドラえもん映画シリーズの第28作目です。監督は渡辺歩が務め、藤子・F・不二雄の漫画『さらばキー坊』を原作としています。
物語は、のび太たちが「植物自動化液」によって動けるようになった苗木のキー坊と出会い、彼と共に植物の惑星へと冒険に出かけるところから始まります。そこで、自然を大切にしない人類を滅亡させる恐ろしい計画が進行していることを知り、彼らはその計画を阻止するために立ち上がります。
本作の特徴は、環境問題や自然との共生といったテーマを扱っている点です。特に、植物の惑星での冒険や、キー坊との絆が感動的に描かれています。映画のキャッチコピーは「僕らの希望が未来を動かす。」であり、希望と未来をテーマにしたストーリーが展開されます。
また、主題歌は絢香の「手をつなごう」であり、映画の雰囲気とマッチした楽曲となっています。
『のび太と緑の巨人伝』は、SFや冒険が好きな方や、環境問題に関心のある方におすすめの作品です。
19位:映画ドラえもん のび太の新恐竜
興行収入 | 33.5億円 |
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上映時間 | 110分 |
公開年 | 2020年8月7日 |
『映画ドラえもん のび太の新恐竜』は2020年に公開されたシリーズ40作目の長編映画です。物語は、のび太が恐竜博の化石発掘で見つけた化石をドラえもんの秘密道具「タイムふろしき」で復元したことで、新種の双子の恐竜キューとミューが誕生するところから始まります。のび太はこの2匹を育てますが、成長するにつれて育てきれなくなり、6600万年前の白亜紀へ送り返す決断をします。仲間たちとともに恐竜たちが生きる過去の世界に旅立ち、新たな冒険が繰り広げられます。
映画では恐竜との触れ合いや、仲間との絆や成長が描かれていて、ファミリーで楽しめる作品となっています。主題歌にはMr.Childrenの「Birthday」と「君と重ねたモノローグ」が使われ、物語の世界観にぴったり合った楽曲です。特にゲスト声優として木村拓哉が出演しており、白亜紀に存在しない猿の姿をした謎の男・ジル役を演じ、物語の重要な鍵を握るキャラクターとなっています。
この作品はドラえもんシリーズの中でも評価が高く、恐竜好きや冒険ものが好きな人に特におすすめです。
20位:映画ドラえもん のび太の恐竜2006
興行収入 | 32.8億円 |
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上映時間 | 106分 |
公開年 | 2006年3月4日 |
『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』は、2006年3月4日に公開されたドラえもん映画シリーズの第26作目です。藤子・F・不二雄の原作を基に、2005年に声優陣を一新して制作された新たなバージョンです。
物語は、のび太が恐竜の卵らしきものを発見し、それをドラえもんのひみつ道具「タイムふろしき」で復元したところから始まります。卵から生まれたのは、白亜紀の恐竜・フタバスズキリュウの子どもで、のび太はその恐竜を「ピー助」と名付けて育て始めます。ピー助はどんどん成長し、部屋では飼えなくなったため、のび太は泣く泣く池にピー助を放ちます。しかし、スネ夫たちに自慢しようとした矢先、公園に恐竜がいると大騒ぎになり、のび太たちは白亜紀へピー助を返しに行くことを決意します。
本作の主題歌は、夏川りみの「ハグしちゃお」とスキマスイッチの「ボクノート」です。特に「ボクノート」は映画の雰囲気とマッチし、感動的なシーンを盛り上げています。
ゲスト声優として、黒マスク役に船越英一郎が出演しています。彼の演じる黒マスクは、ピー助を狙う謎の人物で、物語に緊張感を与えています。
『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』は、冒険と感動の要素が詰まった作品で、家族全員で楽しめる内容となっています。ドラえもんファンはもちろん、冒険や感動を求める方にもおすすめの映画です。
【2025年最新】歴代ドラえもん映画 興行収入ランキング 21位~30位
21位:ドラえもん のび太のドラビアンナイト
興行収入 | 32.7億円 |
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上映時間 | 99分 |
公開年 | 1991年3月9日 |
『映画ドラえもん のび太のドラビアンナイト』は1991年に公開された長編映画で、第12作目です。物語は、のび太が「絵本入り込み靴」を使ってアラビアンナイトの絵本の世界に入り込み、ジャイアンやスネ夫と一緒に冒険を繰り広げます。しかし、しずかちゃんだけが絵本の中に取り残されてしまい、のび太たちは彼女を助けるために奮闘します。
映画の舞台はアラビアンナイトの世界で、空飛ぶ巨人や魔法の聖霊など、個性的なキャラクターが登場します。絵本の世界と現実が交錯するファンタジックなストーリーが特徴です。
また、同じタイトルで1991年にPCエンジン用のゲームも発売され、こちらは横スクロールアクションゲームで、ドラえもんのひみつ道具を使いながら進んでいきます。映画とゲームは同じ世界観ですが、ストーリーや内容は異なっています。
全体として、アラビアンナイトのファンタジー要素が好きな人や、ドラえもんの冒険を楽しみたい人におすすめの作品です。
22位:ドラえもん のび太の宇宙開拓史
興行収入 | 31.8億円 |
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上映時間 | 90分 |
公開年 | 1981年3月14日 |
『映画ドラえもん のび太の宇宙開拓史』は、1981年に公開されたドラえもん長編映画シリーズの第2作目です。物語は、のび太たちが宇宙に新しい星を開拓し、そこに移住する計画を立てるところから始まります。彼らは「ポコニャン」という小さな生き物と出会い、助け合いながら新しい星での生活を築いていきます。
しかし、新しい星には宇宙海賊などの危険が待ち受けており、のび太たちは困難に立ち向かいながら絆を深めていきます。物語は友情や勇気、協力の大切さをテーマにしており、冒険と感動が描かれています。
当時のアニメ技術で描かれた宇宙や未知の星の世界は、今なおファンに愛されている作品です。宇宙開拓という壮大なテーマを通じて、未来への夢や希望を感じさせる内容になっています。
23位:映画ドラえもん のび太の人魚大海戦
興行収入 | 31.6億円 |
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上映時間 | 98分 |
公開年 | 2010年3月6日 |
『映画ドラえもん のび太の人魚大海戦』は、2010年に公開されたドラえもん映画シリーズ第30作目です。監督は楠葉宏三、脚本は真保裕一が担当し、海を舞台にした壮大な冒険が描かれます。
物語は、のび太が「架空水プロジェクター」を使って街全体を海に変えてしまうところから始まります。しずかたちと泳いで遊んでいると、突如現れた人魚の少女ソフィアと出会い、彼女が海底にある「人魚族」の王国から来たことを知ります。のび太たちはソフィアを助けるため、海底世界へと向かい、やがて人魚族と対立する「海底人魚一族」との戦いに巻き込まれていきます。
この作品は、海洋ファンタジーの色が強く、海底世界の美しいビジュアルや、戦いのスケール、のび太たちの成長が印象的です。友情や勇気といったテーマに加え、平和への願いが込められたストーリーが展開されます。クライマックスでは、仲間と力を合わせて大きな危機に立ち向かうドラえもんらしい感動的な場面も描かれます。
子どもはもちろん、大人も楽しめる感動と冒険の一作です。
24位:ドラえもん のび太と雲の王国
興行収入 | 30.5億円 |
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上映時間 | 97分 |
公開年 | 1992年3月7日 |
『映画ドラえもん のび太と雲の王国』は、1992年に公開されたドラえもん映画シリーズ第13作目です。原作・脚本は藤子・F・不二雄、監督は芝山努が務めました。
物語は、のび太が「天上世界を作りたい」と願い、ドラえもんの道具で空に「雲の王国」を作るところから始まります。仲間たちと共に、雲の上に夢のような理想郷を築き上げていく中で、彼らは地球上の動物を保護しようとする「天上人」と出会います。天上人たちは動物を守るため、人類に警告を与えようとしていますが、その行動がやがて大きな対立と危機を引き起こすことになります。
本作は、自然環境や動物愛護、人間の責任といった社会的テーマを扱いながら、ファンタジーとSF要素を融合させた重厚な物語です。子ども向け映画ながら、倫理や環境問題に正面から向き合った姿勢が評価されており、シリーズの中でも特にメッセージ性が強い作品とされています。
終盤の展開では、のび太たちが自分たちの選択に責任を持ち、平和的な解決を目指して奮闘する姿が描かれ、深い感動を呼びます。冒険と想像力、そして現代社会への問いかけが詰まった一作です。
25位:ドラえもん のび太の太陽王伝説
興行収入 | 30.5億円 |
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上映時間 | 91分 |
公開年 | 2000年3月11日 |
『映画ドラえもん のび太の太陽王伝説』は、2000年に公開されたドラえもん映画シリーズの第21作目です。監督は芝山努、脚本は藤子・F・不二雄の原案を基にして藤子プロが執筆しています。
物語は、のび太が偶然、鏡の中の異世界=インカ帝国風の「太陽の国」にそっくりな少年ククと出会うところから始まります。ククはその世界の王子で、のび太は入れ替わる形で彼の国へと向かうことになります。そこでのび太は「太陽王」として振る舞うことを強いられ、やがて国に伝わる「月の魔女」によって王国が危機に陥っていることを知ります。
のび太とドラえもんたちは、ククと協力して陰謀を阻止し、太陽の国を救おうと奮闘します。神話や古代文明的な要素が強く盛り込まれており、王位継承、運命、友情といったテーマが、冒険とファンタジーの中で描かれています。
本作は、王国の重厚な世界観や、のび太が「王としての責任」に向き合うといういつもと違った立場で活躍する点が特徴的で、特に成長物語としての側面が強い作品です。神秘的な雰囲気と緊迫した展開が楽しめる、シリーズ中でもやや大人びた印象のドラえもん映画といえます。
26位:ドラえもん のび太のワンニャン時空伝
興行収入 | 30.5億円 |
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上映時間 | 84分 |
公開年 | 2004年3月6日 |
『映画ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』は、2004年に公開されたドラえもん映画シリーズ第25作目で、旧声優陣による最後の劇場作品です。監督は芝山努、脚本は藤子プロによるオリジナルストーリーです。
物語は、のび太が嵐の中で捨て犬を拾い、「イチ」という名前をつけて世話を始めるところから始まります。ドラえもんの道具で保護していた他の動物たちとともに、動物たちが自由に暮らせる「ワンニャン星」への旅が計画されます。しかし、タイムマシンの事故で彼らだけがはるか未来に飛ばされ、独自の文明を築いた動物たちの世界が誕生します。
やがて動物たちの社会は、人間に似た文化を持ちながらも、人間のような支配や差別が広がっており、のび太たちはその矛盾と向き合いながら争いを止めるために奮闘します。友情、責任、そして共生というテーマが深く描かれており、ファンタジー色の強い設定ながら、社会的な問いかけも含んだ内容になっています。
特に、ラストではのび太と「イチ」との別れが涙を誘う感動的なシーンとして語り継がれています。旧ドラえもん映画シリーズの集大成的な作品であり、長年のファンにとっても特別な1本とされています。
27位:ドラえもん のび太の魔界大冒険
興行収入 | 30億円 |
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上映時間 | 97分 |
公開年 | 1984年3月17日 |
『ドラえもん のび太の魔界大冒険』は、1984年に公開されたドラえもん映画シリーズの第5作です。原作・脚本は藤子・F・不二雄が手がけ、魔法と科学の融合をテーマにしたファンタジー色の強い作品です。
物語は、のび太が「もしも魔法が存在する世界だったら…」という妄想から始まります。ドラえもんの「もしもボックス」によって世界の仕組みが科学から魔法へと切り替わり、のび太たちは魔法を使える世界での生活を楽しみます。しかしその一方で、異世界からの侵略者である魔界の支配者たちが、地球征服を企んでいることが明らかになります。
のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫、そしてドラえもんは、地球を守るために魔界へと旅立ちます。旅の途中で出会う謎の少女・美夜子と魔法学者・満月博士の助けを借りながら、仲間たちは幾多の困難と戦い、自らの力と勇気で世界の危機に立ち向かいます。
この作品は、魔法という夢のある設定の裏に、死や絶望、運命といった重いテーマも盛り込まれており、子ども向けでありながら非常にシリアスな側面も持ちます。特にクライマックスの展開やラストの余韻は、当時の観客に強い印象を残しました。
後に、2007年にリメイク作品『のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜』も制作されており、原作の雰囲気を残しながら現代風にアレンジされています。原作版の持つ緊張感とメッセージ性は、今なお多くのファンから高く評価されています。
28位:ドラえもん のび太とブリキの迷宮
興行収入 | 30億円 |
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上映時間 | 100分 |
公開年 | 1993年3月6日 |
『ドラえもん のび太とブリキの迷宮(ラビリンス)』は、1993年に公開されたドラえもん映画シリーズ第14作目です。監督は芝山努、脚本は藤子・F・不二雄。SF色が強く、シリーズの中でもとくにシリアスでサスペンス性の高い一作として知られています。
物語は、のび太の家に突然現れた謎のホテル「ロボット・ホテル」から始まります。そのホテルをきっかけに、のび太たちは機械文明に支配された異世界「ブリキン星」に巻き込まれていきます。そこでは人間は不要とされ、すべてがロボットによって支配されており、のび太たちは人間の自由を奪おうとする勢力に立ち向かうことになります。
この作品の大きな特徴は、シリーズでも異色といえる緊張感のある展開と、ロボット社会という未来的テーマ。特に、中盤でドラえもんが故障して機能を停止し、のび太が彼なしで困難に立ち向かう場面は、シリーズ屈指の名シーンとして多くのファンの記憶に残っています。
人間と機械の関係、自由と支配といった深いテーマを含みつつも、のび太の勇気や仲間との絆が力強く描かれ、ドラえもん映画の中でも高い評価を受けている作品です。シリアスなSFドラえもんを求めている人には特におすすめです。
29位:ドラえもん のび太と翼の勇者たち
興行収入 | 30億円 |
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上映時間 | 91分 |
公開年 | 2001年3月10日 |
『ドラえもん のび太と翼の勇者たち』は、2001年に公開されたドラえもん映画シリーズ第22作目です。監督は芝山努、脚本は岸間信明で、「空を飛ぶこと」に強い憧れを持つのび太を軸に、鳥のような種族が暮らす異世界での冒険が描かれます。
物語は、のび太が「鳥のように空を飛びたい」と願い、ドラえもんのひみつ道具「鳥型飛行装置」を使って飛行訓練を始めるところから始まります。ある日、のび太たちは突風に巻き込まれ、空に浮かぶ雲の上の世界「バードピア」へ迷い込みます。そこは人間と似た姿をした鳥人たちの国で、鳥たちは人間の存在を忌み嫌い、接触を避けて暮らしていました。
のび太たちは、バードピアの少年・グースと出会い、次第に友情を育んでいきます。しかしその裏では、バードピアを支配しようとする軍事政権と反乱の動きが進行しており、のび太たちはその争いに巻き込まれていくことになります。
この作品は、飛行への憧れ、空への自由、そして異文化との対話をテーマにしており、シリーズの中でもメッセージ性の強いファンタジーです。グースとの友情、空を駆ける迫力ある戦闘シーン、そしてラストの感動的な別れが印象深く、多くのファンに愛されています。
空を舞台にした広がりのある世界観と、平和と理解の重要さを描いたこの作品は、子どもだけでなく大人にも響く要素を持った一本です。
30位:ドラえもん のび太と銀河超特急
興行収入 | 29億円 |
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上映時間 | 97分 |
公開年 | 1996年3月2日 |
『ドラえもん のび太と銀河超特急(エクスプレス)』は、1996年に公開された映画ドラえもんシリーズ第17作目です。監督は芝山努、脚本は藤子・F・不二雄の原案を基にして藤子プロが執筆しています。舞台は宇宙を走る観光列車「銀河超特急」で、SFと冒険、ミステリーが融合した作品です。
物語は、のび太たちが“夢のような宇宙旅行”に出発するところから始まります。彼らが乗るのは、ドラえもんの道具によって出現した、本物の宇宙を走る超特急列車。この列車は各惑星の観光地に停車し、途中には西部劇、剣と魔法の世界、恐竜時代など、テーマパークのように異なる世界が広がる星々があります。
一見楽しい旅行のように思えた冒険ですが、やがて謎のロボット集団「ヤドリ」をめぐる陰謀と、宇宙規模の危機がのび太たちを待ち受けていることが明らかになります。ヤドリたちは人間に寄生して操る恐るべき存在で、のび太たちは旅先で出会った仲間たちと協力しながら、この脅威に立ち向かいます。
この作品は、列車という舞台装置を活かしたテンポの良い展開と、ジャンルをまたぐ多彩な冒険、SF的なスリルが特徴です。特に「何が起こるかわからない未知の旅」というテーマが、子どもの想像力を強く刺激します。
ミステリー性、緊迫感、友情の絆、そしてワクワクするSF冒険がすべて詰まった作品で、シリーズの中でも根強い人気を誇ります。未来や宇宙に憧れるすべての世代におすすめできる一本です。
【2025年最新】歴代ドラえもん映画 興行収入ランキング 31位~40位
31位:ドラえもん のび太の恐竜
興行収入 | 28.1億円 |
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上映時間 | 92分 |
公開年 | 1980年3月15日 |
『ドラえもん のび太の恐竜』は、1980年に公開された映画ドラえもんシリーズの第1作で、長編映画の原点とも言える作品です。のび太が恐竜の化石を探し、偶然見つけた卵から孵ったのはフタバスズキリュウの赤ちゃんでした。のび太はその恐竜に「ピー助」と名付けて育てますが、成長とともに現代では暮らせなくなり、ドラえもんたちとともにピー助を元の時代である白亜紀に帰すためタイムマシンで過去へ旅立ちます。
旅の先で彼らを待っていたのは、恐竜を狙う密猟者たちや過酷な自然。のび太たちは命の危機にさらされながらも、恐竜と心を通わせ、必死にピー助を守ろうとします。単なる冒険だけでなく、別れの切なさや生命の大切さが物語の根底に流れ、のび太の優しさと成長が感動を呼ぶ展開となっています。
この作品は、藤子・F・不二雄が「子どもたちのために本物の映画を作りたい」と考えて生まれた映画であり、シリーズ全体の基礎を築いた重要な一作です。今なお高く評価され、多くのファンにとって特別な思い出として語り継がれています。
32位:STAND BY ME ドラえもん 2
興行収入 | 27.8億円 |
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上映時間 | 96分 |
公開年 | 2020年11月20日 |
『STAND BY ME ドラえもん 2』は、2020年に公開された3DCGアニメ映画で、2014年の『STAND BY ME ドラえもん』の続編にあたります。この作品は藤子・F・不二雄の短編を中心に構成され、のび太とドラえもんの絆や成長を感動的に描いています。
物語は、のび太が小学生から大人になるまでの大切な出来事や、しずかちゃんとの結婚にまつわるエピソードを中心に展開されます。ドラえもんがいなくなる未来の可能性を知ったのび太は、失いたくない日々や仲間との思い出を胸に、勇気を振り絞って前に進もうとします。
映像は高品質な3DCGで表現されており、原作の温かさをそのままに、現代的なビジュアルで描かれているため、老若男女問わず幅広い層に支持されました。テーマは友情、家族愛、成長、そして別れと再会で、シリーズファンにとっても新しい世代にとっても感動的な作品となっています。
『STAND BY ME ドラえもん 2』は、ドラえもんの持つ普遍的なメッセージを改めて伝え、見る人の心に深く響く映画です。
33位:ドラえもん のび太と竜の騎士
興行収入 | 27.2億円 |
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上映時間 | 93分 |
公開年 | 1987年3月14日 |
『ドラえもん のび太と竜の騎士』は、1987年に公開された映画ドラえもんシリーズの第8作目にあたる作品です。原作・脚本は藤子・F・不二雄自身が手がけており、SF的要素と冒険ロマン、そして社会的なメッセージが巧みに織り込まれた、シリーズ屈指の名作とされています。
物語は、のび太が地底湖で見つけた奇妙な痕跡をきっかけに始まります。ドラえもんの道具を使って調査を進めるうちに、彼らは恐竜が今なお生きる「地底世界」へと辿り着きます。そこでは、人類と決別し地下に逃れた“竜の騎士”たちが、静かに暮らしていました。しかし、彼らは地上への復讐を計画しており、物語はただの探検では終わらない方向へと進んでいきます。
この作品は、ただの子ども向け冒険譚ではありません。地上と地下の対立構造を通じて、環境破壊や人間の傲慢さ、さらには共存の可能性について問いかけてきます。特に、過去の恐竜絶滅をめぐる考察や、文明が自然に及ぼす影響を描いたシーンには、大人でも考えさせられるものがあります。
のび太はこの映画でも一貫して「平和的な解決」を望み、自分の無力さに苦悩しながらも仲間を助けるために奮闘します。終盤には、彼の覚悟と成長がしっかりと描かれており、シリーズの中でも特にのび太が「主人公らしく」活躍する作品として、多くのファンに愛されています。
また、恐竜という題材に対する藤子・F・不二雄の思い入れも深く、『のび太の恐竜』に次ぐ恐竜テーマ作品として、恐竜好きにはたまらない描写が随所に見られます。地底世界のビジュアルも当時としては見応えがあり、アニメーションのクオリティも高めです。
結末は単なる冒険の終わりではなく、のび太たちが見聞きしたことをどう受け止めるか、そして地上の人々がどのように変わっていくかという“その後”を暗示するような静かな余韻を残して幕を閉じます。子ども時代に見たときと、大人になってから見直したときとで、印象が大きく変わる作品です。
34位:ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021
興行収入 | 26.9億円 |
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上映時間 | 108分 |
公開年 | 2022年3月4日 |
『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』は、1985年に公開された『のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)』のリメイク作品として、2022年3月に劇場公開されました。タイトルには「2021」とありますが、これは本来2021年に公開予定だったものが新型コロナウイルスの影響で1年延期されたためで、作品の内容自体はそのままです。
物語の発端は、夏休みにのび太が拾った小さなロケット。その中から現れたのは、手のひらサイズの異星人パピ。彼は遠い宇宙のピリカ星から逃れてきた大統領で、母星では独裁政権が支配を強め、自由を求める彼は命を狙われていたのです。のび太たちは彼をかくまいながら、やがて自分たちもスモールライトで体を小さくして彼の戦いに巻き込まれていきます。
旧作でも評価された「小さな体で大きな敵に立ち向かう」スリルや、ドラえもん映画ならではの友情・勇気・成長といったテーマはそのままに、今回のリメイクではキャラクターたちの心情描写がより丁寧に描かれています。パピの抱える孤独や葛藤、彼の姉ピイナの思い、そしてのび太自身の“逃げたい気持ち”と“守りたい気持ち”の間で揺れる心の変化が、現代的な演出で描かれます。
また、映像面では最新のCGを一部導入しており、宇宙戦艦や戦闘シーン、ピリカ星の情景などがより迫力のあるものとなっています。それでいてアニメーションとしての温かみや親しみやすさは損なわれておらず、あくまで「映画ドラえもん」としてのトーンを守っています。主題歌を担当したOfficial髭男dismの楽曲も、作品の雰囲気に非常にマッチしており、クライマックスを一層感動的に演出しています。
旧作を知る世代にとっては懐かしくも新しいリメイクであり、初めて観る子どもたちには純粋なSF冒険として楽しめる内容です。友情とは何か、弱さをどう乗り越えるか、そして小さな勇気が大きな変化を生むというメッセージが、世代を超えて心に響く作品となっています。
35位:ドラえもん のび太とふしぎ風使い
興行収入 | 25.4億円 |
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上映時間 | 83分 |
公開年 | 2003年3月8日 |
『ドラえもん のび太とふしぎ風使い』は、2003年3月に公開された映画ドラえもんシリーズの第24作目です。藤子・F・不二雄が原作を手がけた最後の時期に近い「大長編ドラえもん」の中でも、自然との共生や“風”というテーマを通して、優しさと厳しさの両方を描いた独特の作品です。
物語は、のび太が空を飛ぶ夢を見ていたある日、台風のような風の精霊・フー子と出会うところから始まります。フー子は見た目も行動も幼い子どものような存在で、のび太は彼女をかわいがり、家でこっそり育てることにします。しかし、フー子の正体は人間とは異なる「風の民」の一員であり、やがてのび太たちは彼女を巡って異世界・風の谷と地上世界の対立に巻き込まれていきます。
この作品の核には、「自然」と「人間」の関係があります。風の民は自然の秩序を守る存在として描かれ、人間の科学や文明による干渉が彼らにとって脅威となっています。一方、のび太たちは人間でありながらもフー子に友情を感じ、風の民と地上の人々の間に橋をかけようと奮闘します。
物語が進むにつれ、のび太とフー子の絆が深まっていきます。しかしその先には別れや犠牲が待っており、ラストにはシリーズの中でも屈指の切なさと余韻が残る展開が用意されています。明るく楽しい冒険の中に、別れの痛みや成長の瞬間がしっかりと刻まれており、子どもにも大人にも強い印象を残す構成です。
風を操るという設定は視覚的にも非常に魅力的で、空を舞うシーンや嵐の描写は、2000年代初頭のアニメーションとしてはなかなかの迫力があります。フー子の存在もまた非常にユニークで、「かわいいのに強く、強いのに儚い」という、どこかジブリ作品に通じるようなキャラクター造形がされています。
テーマとしては、「優しさはときに力になる」「自然を支配するのではなく、共に生きる」というメッセージが明確で、環境問題や共生について考えさせられる部分も少なくありません。
他のドラえもん映画と比べて、非常に静かで内省的なトーンを持った作品であり、それゆえにシリーズの中でもファンの間で賛否が分かれることもありますが、「感情に訴える物語」としての完成度は高く、特に終盤の展開は涙なしでは見られないという声も多く聞かれます。
36位:ドラえもん のび太のパラレル西遊記
興行収入 | 24.7億円 |
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上映時間 | 93分 |
公開年 | 1988年3月12日 |
『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』は、1988年3月12日に公開された映画ドラえもんシリーズの第9作目です。中国の古典小説『西遊記』をモチーフにしながらも、藤子・F・不二雄独自のSF設定と冒険要素を融合させた作品で、異色作として知られています。
物語の発端は、しずかちゃんの学校の演劇「西遊記」。のび太たちもそれぞれ孫悟空や三蔵法師の役で出演することになり、練習のためにドラえもんがひみつ道具「イメージ改造機」を使って、架空の“西遊記の世界”をリアルな仮想空間として再現します。しかしその中でトラブルが起こり、現実世界に異変が生じはじめます。
のび太たちが現実に戻ってくると、そこは人間が妖怪に支配される世界になっていました。つまり、仮想の西遊記世界の設定が現実に干渉してしまい、「人間が妖怪に負けた」という世界線にパラレルで移行してしまったのです。元の世界を取り戻すため、ドラえもんとのび太たちは再び妖怪の支配する世界へと飛び込み、冒険を始めます。
この映画は、**“パラレルワールド”と“現実改変”**というテーマを本格的に扱っている点で、シリーズでも非常にユニークな作品です。のび太たちは、それぞれ孫悟空、沙悟浄、猪八戒、三蔵法師のような姿に変身し、妖怪たちと戦うことになります。妖怪に支配された街や、人間たちが怯えて暮らす風景は、子ども向けアニメとしてはややダークで重たい印象もあり、「怖かった」という感想を持つ視聴者も多いです。
特に印象的なのは、物語の中盤から終盤にかけて描かれる、「もしも世界の常識が一変したら」という不安感と、そこから自分たちの力で運命を変えていくというドラマ。ドラえもん映画において「世界全体が改変される」という設定は珍しく、単なる冒険活劇にとどまらず、SF的なスリルや哲学的な問いかけも含んでいます。
また、ラストでは強大な妖怪との戦いと、それぞれの仲間が果たす役割がクライマックスに向かって収束していきます。のび太も、自分の役割に悩みながらも最後には勇気を見せ、全体の流れを決定づける存在として活躍します。
この作品は、『のび太の恐竜』『のび太の宇宙小戦争』などの直線的な冒険物語と比べると、やや複雑でメタフィクション的な要素が強いですが、そのぶん印象に残る場面も多く、シリーズの中でもカルト的な人気を誇っています。
なお、藤子・F・不二雄自身が執筆した原作漫画(大長編)も存在し、映画とは若干異なる描写がされているので、そちらを読んでみるとまた違った楽しみ方ができます。
37位:ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち
興行収入 | 24.6億円 |
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上映時間 | 108分 |
公開年 | 2011年3月5日 |
『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~』は、2011年に公開された映画で、1986年に公開された『のび太と鉄人兵団』のリメイク作品です。原作は藤子・F・不二雄による大長編シリーズの一作で、SF色が非常に強く、シリーズの中でも屈指の“重く深い”テーマを持つ名作とされています。
この2011年版は、旧作のストーリーをベースにしながらも、時代に合わせて映像表現やキャラクター造形を大胆に刷新し、さらに新キャラクター「ピッポ」の追加などで、感情の厚みが増した仕上がりになっています。
物語は、のび太が北極で謎の巨大なロボットのパーツを発見するところから始まります。ドラえもんの「どこでもドア」などのひみつ道具を駆使して、彼らはそのロボットを組み立てていきます。完成したのは、巨大ロボット「ザンダクロス」。しかしそのロボットには、地球を侵略する目的を持った「メカトピア星」の兵器としての役割が秘められていたのです。
のび太とドラえもん、そして仲間たちは、この兵器がもたらす脅威を知り、地球を守るために動き始めます。一方で、ザンダクロスを送り込んだメカトピア側のロボット少女「リルル」との出会いが物語の核となっていきます。リルルは冷徹な侵略者として登場しますが、人間たちとふれ合うことで次第に心を揺さぶられ、「人間とは何か」「命とは何か」を問う存在へと変化していきます。
このリメイク版で新たに登場するキャラクター、ロボットの少年「ピッポ」は、リルルの物語をより深く感情的に描くための存在です。ピッポは明るく愛らしい見た目とは裏腹に、ラストには大きな選択を迫られます。彼の視点から見たリルルの変化や、地球の子どもたちとの関係性は、観客に「感情を持つとはどういうことか」という普遍的な問いを投げかけます。
全体を通じて、メッセージ性は非常に強く、特に「戦争」「兵器」「自由意志」「自己犠牲」といったテーマが深く描かれます。子ども向け作品でありながら、大人が観ても胸に迫る場面が多く、特にリルルの選択とラストの展開は、シリーズの中でも屈指の感動シーンとして語り継がれています。
ビジュアル面でも、リメイクならではの映像美が光ります。巨大ロボットの迫力ある戦闘シーンや、メカトピアの冷たい世界観、そして感情を取り戻したロボットたちの表情など、細部まで丁寧に作られています。
タイトルにある「はばたけ 天使たち」という言葉は、単に飛行を意味するのではなく、“自らの意志で運命を選ぶ存在”たちの比喩でもあります。リルルやピッポ、そしてのび太たち自身がそれぞれの立場で何を選び、どう生きるか。その選択の尊さが、観る人の心に強く残ります。
38位:ドラえもん のび太と夢幻三剣士
興行収入 | 24.5億円 |
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上映時間 | 98分 |
公開年 | 1994年3月12日 |
『ドラえもん のび太と夢幻三剣士(むげんさんけんし)』は、1994年3月12日に公開された映画ドラえもんシリーズ第15作目であり、藤子・F・不二雄の原作による「大長編ドラえもん」の中でも、夢と現実の境界をめぐる特異な世界観を持った作品です。
物語の始まりは、のび太が最近夢ばかり見て、現実世界がつまらなく感じているという日常から始まります。そんな彼のために、ドラえもんが取り出したひみつ道具が「気ままに夢見る機」。これは、自分で設定したジャンルの夢の世界に、毎晩冒険者として入り込めるという夢のような道具です。
のび太が選んだのは「剣と魔法のファンタジー世界」。そこで彼は“夢幻三剣士”の一人として、しずかやジャイアン、スネ夫と共に魔王を倒す旅に出ます。ゲーム的な設定とビジュアルが特徴的で、まるでRPGのように展開するこの夢の世界は、子どもたちの想像力を強く刺激する舞台です。
しかし物語は単なる夢の中の冒険では終わりません。次第に「これは本当に夢なのか? それとも現実なのか?」という疑念が生まれ、夢と現実の境界が曖昧になっていきます。のび太たちは夢の世界で命の危機に直面し、現実では起きるはずのない出来事が次々に起こり始めます。やがて彼らは、自分たちが知らぬ間に“本物の別世界”に干渉していることに気づき、ただの遊びだったはずの夢の旅が、世界の存亡に関わる本当の戦いへと変わっていきます。
本作では、のび太が「自分にできることとは何か」を自問自答する場面が多く、成長と勇気、そして仲間との信頼が試されます。敵である魔王レイガルの存在も、単なる悪ではなく、深い過去と動機があり、善と悪の線引きが一筋縄ではいかない構造になっています。
また、夢の中での出来事が「一種の異世界転移」であるという設定は、後年の異世界アニメやライトノベル文化にも先駆けるようなアイデアであり、今観ても非常に斬新です。1990年代の子どもたちにとっては、「夢の中でなら自分も強くなれる」「現実ではできないことを叶えられる」という希望に満ちた物語でありながら、それが現実とどう向き合うかという葛藤にもつながっていて、意外に深く大人向けのテーマも内包しています。
また、しずか・ジャイアン・スネ夫たちも単なる脇役ではなく、それぞれが夢の世界で個性ある役割を果たし、のび太と一緒に成長していきます。特にしずかの知性と冷静さ、ジャイアンの頼もしさは印象的です。
終盤では、夢の世界が崩壊しようとする中で、彼らが下す選択が物語の決定的な分岐になります。夢か現実か、そのどちらにも属さない境界線上で、のび太は仲間を信じ、自らの“勇者”としての責任を果たしていきます。最後に迎える結末は、静かで余韻の残るものであり、「これは本当に夢だったのか?」という問いを観る者にも残します。
『夢幻三剣士』は、単にファンタジーを描いたドラえもん映画ではありません。現実逃避と向き合う少年の成長物語であり、SF的な構造とメタ的な展開が絡む、異色で野心的な作品です。のび太の「弱さ」も「優しさ」も、そのまま彼の「強さ」へと繋がっていく、見応えのある一作です。
39位:ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史
興行収入 | 24.5億円 |
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上映時間 | 102分 |
公開年 | 2009年3月7日 |
『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』は、2009年3月7日に公開された映画で、1981年に公開された『のび太の宇宙開拓史』のリメイク作品です。監督は渡辺歩、脚本は真保裕一。声優陣はTVアニメのリニューアル後の新キャストが担当しており、旧作に対する敬意を保ちつつ、現代的な演出と作画で刷新された一作となっています。
物語のあらすじ
ある日、のび太の部屋の押し入れが突然、宇宙空間へとつながります。そこに現れたのは、開拓星「コーヤコーヤ星」に住む少年ロップルとそのペット・チャミー。彼らの住む星では、謎の地震や事故が多発し、住民たちは不安を抱えていました。
のび太はロップルと仲良くなり、ドラえもんとともにその星を行き来するようになります。コーヤコーヤ星には、重力が地球よりもずっと小さいため、のび太は地球ではできなかったジャンプや銃の命中も得意になり、自信をつけていきます。
しかし、星の地下資源を狙う地球の悪徳企業「ガルタイト鉱業」の干渉により、ロップルたちの村は次第に追い詰められていきます。企業の手先として送り込まれた傭兵・ギラーミンは、冷酷かつ圧倒的な力を持ち、のび太たちは絶体絶命の状況に陥ります。
そんな中でも、のび太は「この星を守りたい」というまっすぐな思いを胸に、ドラえもんや仲間たちと力を合わせて立ち向かっていきます。彼の成長、そして何より「弱いからこそ、守ろうとする強さ」を描いたクライマックスは、旧作以上に熱く、胸を打つ展開となっています。
旧作との違いと見どころ
このリメイク版では、旧作のエピソードやキャラクターを大切にしつつも、現代的なアレンジが加えられています。特にギラーミンの人物像はより冷徹でリアルに描かれ、のび太との対決は“少年向け映画”の枠を超える緊張感があります。
また、地球とコーヤコーヤ星との世界観の違い、のび太の“地球ではダメでも別の世界ならヒーローになれる”という展開が、リメイクにより一層丁寧に表現されています。重力の違いを活かしたバトルやアクションも、旧作にはなかった躍動感があります。
ロップルやチャミーとの交流も、ほのぼのとしながら芯のある友情として描かれており、のび太がただ助けられるのではなく、「自分の力で守る」という成長がしっかり物語に根付いています。
テーマとメッセージ
『新・のび太の宇宙開拓史』は、単なる冒険活劇ではありません。そこには「正しさとは何か」「誰かを守るとはどういうことか」「力ではなく思いが未来を変える」といった深いテーマが込められています。
のび太が本当に勇敢だったのは、銃の腕前が良くなったからではありません。どんなに怖くても逃げず、守りたい人のために立ち向かった――その選択にこそ、ドラえもん映画らしいメッセージが凝縮されています。
40位:ドラえもん のび太と鉄人兵団
興行収入 | 23.6億円 |
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上映時間 | 97分 |
公開年 | 1986年3月15日 |
『ドラえもん のび太と鉄人兵団』は、1986年に公開された映画ドラえもんシリーズ第7作目であり、藤子・F・不二雄が原作を手がけた「大長編ドラえもん」の中でも、もっともシリアスかつ重厚なSF作品として知られています。子ども向けとは思えないほどのテーマの深さと、衝撃的な展開で、今もなお多くのファンに愛される名作です。
物語の概要
ある日、のび太は空から降ってきた巨大なロボットの足を発見します。それは、地球を侵略する目的でメカトピア星から送り込まれた巨大ロボット「ザンダクロス」の一部でした。好奇心からそのパーツを集めてロボットを組み立てるのび太たち。完成したザンダクロスは、圧倒的な戦闘能力を誇る兵器だったのです。
このロボットに付随して現れたのが、ロボット兵団の指令役である美しい少女型ロボット・リルル。彼女は冷静で無感情な存在として、地球侵略を淡々と進めようとします。ところが、のび太やしずかとのふれあいを通じて、少しずつ“心”のようなものが芽生え始めていきます。
物語はやがて、「ロボットは人間を支配すべきか?」「心とは何か?」という問いに突き当たり、リルル自身がその答えを見つけるために苦しむ展開へと進みます。そして、地球の未来を賭けた壮絶な戦いの中、リルルはある決断を下します。その選択は、ドラえもん映画史上でも屈指の感動と余韻を残すラストとして、多くの視聴者の心を揺さぶりました。
作品の特徴と意義
この作品は、単なるロボットバトルものではありません。物語の中で扱われるテーマ――「戦争と兵器」「他者との共存」「感情と自己犠牲」など――は、子ども向けとは思えないほど重く、真摯です。特にリルルというキャラクターは、人工物でありながら人間以上に“人間的な”葛藤を抱え、その姿は観る人に「自分はどう生きるのか?」という問いすら投げかけます。
また、のび太がこの作品で見せる勇気や責任感も、従来の「ダメな子」のイメージを超えています。彼は臆病でありながらも「誰かを守るため」に戦い、逃げずに立ち向かいます。その姿に、のび太というキャラクターの本質的な魅力が凝縮されています。
リメイクとの違い
2011年に『新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~』としてリメイクされましたが、原作の骨格を保ちつつもキャラクター描写やストーリー展開が追加・強化されています。たとえば、リメイク版には新キャラ「ピッポ」が登場し、物語に“子ども視点の感情の中継点”が加えられました。旧作のシリアスさが少し柔らかくなった一方で、原作の核となるテーマはしっかりと引き継がれています。
『のび太と鉄人兵団』は、子どもの冒険を描きながら、「兵器とは何か」「心を持つとはどういうことか」といった深い命題に触れた異色作です。静かな結末は、「誰も知らないところで、誰かが世界を救ったかもしれない」という想像をかきたて、観終わったあとに静かな感動が残ります。
【2025年最新】歴代ドラえもん映画 興行収入ランキング 41位~45位
41位:ドラえもん のび太の創世日記
興行収入 | 23.6億円 |
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上映時間 | 97分 |
公開年 | 1995年3月4日 |
『ドラえもん のび太の創世日記』は、1995年に公開された映画ドラえもんシリーズの第16作目です。この作品は、「創世記」や「神話」をテーマにしており、のび太がドラえもんのひみつ道具を使って、自分だけの世界を創り出すというファンタジックで哲学的な物語になっています。
物語は、のび太が退屈な日常に飽きてしまい、ドラえもんの「創世日記」という道具を使って夢の世界を創造するところから始まります。のび太は自分の理想の世界を作り上げ、そこで神のような存在として振る舞いますが、次第にその世界の中で起こる問題や住人たちの感情に気づき、創造主としての責任と向き合うことになります。
この作品は、単なる冒険やコメディにとどまらず、「創造と管理」「自由意志と責任」といった深いテーマを扱っています。のび太が神の立場を経験することで、自分の行動が他者にどんな影響を与えるのかを学び、人間としての成長を描いています。
また、映像面では幻想的で美しい世界観が表現されており、夢と現実の境界が曖昧になる独特の雰囲気が印象的です。全体的に哲学的な問いかけが多い作品であり、大人が見ても考えさせられる内容になっています。
42位:ドラえもん のび太のロボット王国
興行収入 | 23.1億円 |
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上映時間 | 81分 |
公開年 | 2002年3月9日 |
『ドラえもん のび太とロボット王国(キングダム)』は2002年3月9日に公開されたシリーズ第23作の劇場アニメで、上映時間は80分、監督は芝山努、脚本は岸間信明が担当しています 。
ストーリーは、のび太が未来デパートの通販マシンを使ったことで、ひみつ道具と一緒に地球外の少年型ロボット「ポコ」を誤って取り寄せてしまうところから始まります。
ドラえもんたちはポコを故郷であるロボット王国へ返そうと旅立ちますが、そこではジャンヌ女王がロボットから感情を奪う「ロボット改造計画」を進め、ポコのお母さんを含む多くのロボットたちが感情を失い、牢獄に幽閉されていたのです。
ドラえもん一行はポコを助け、女王を操っていた司令官デスターと対峙します。最終的に彼らはデスターを打ち破り、ポコの母を救出。さらに虹の谷に見つかった理想郷を背景に、ジャンヌ女王は亡き父が夢見た「人間とロボットが共存する国」を再建することを宣言し、ドラえもんたちは地球へ帰還します。
この作品では、人間とロボットの友情や共感というテーマが描かれており、シリーズの中でも深いメッセージ性があるエピソードとして評価されています。映像面では、伝統的なアナログセルアニメの質感が残る最後期作品のひとつであり、懐かしさと新鮮さを兼ね備えたビジュアルも楽しめます。
43位:ドラえもん のび太の大魔境
興行収入 | 22.1億円 |
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上映時間 | 91分 |
公開年 | 1982年3月13日 |
『ドラえもん のび太の大魔境』は1982年3月13日に公開されたシリーズ第3作で、原作・脚本は藤子・F・不二雄、監督は西牧秀夫が務めています。物語の始まりは、春休み中にのび太が空き地で拾った子犬ペコが、航空写真の中からコンゴ奥地に佇む謎の巨神像を見つけ出すこと。それをきっかけにドラえもんとのび太をはじめ仲間たちは、どこでもドアで未開の地へ冒険に向かうのです。
ジャングルのさらに奥で彼らが発見したのは、進化した犬たちによって築かれた高度な文明社会「バウワンコ王国」。その王国の正体は犬の王子ペコの故郷であり、国はクーデターを起こした大臣ダブランダーに支配されています。王国には古代のロボット兵「巨神像」や空飛ぶ船といった兵器も眠っていて、ペコやドラえもんたちは王国を取り戻すべく奮闘します。
物語のクライマックスでは、未来から来た自分たち(「先取り約束機」を利用して呼び寄せたドラえもんたち)が合力してダブランダーを打倒。巨神像を動かして王国の平和を回復します。ペコは正体を明かした後、正式にバウワンコ109世として即位し、仲間との別れを経て新たな王として国を治め始めます。
この作品は探検ものとしてのワクワク感と、タイムトラベルを絡めた巧妙な展開が魅力的です。特に「未来の自分が過去を救う」という仕掛けは、ドラえもんシリーズでは異例の逆転ストーリーとして評価され、「先取り約束機」のアイデアによる無限ループの構造も話題になりました。
加えて、友だち思いのペコや、冒険を通じてしっかり成長するジャイアン、ハラハラする巨神像の戦いなど、子どもから大人まで楽しめる要素が詰まった作品です。1970〜80年代のアナログセルアニメならではの温かい手描きのタッチにも、その時代の味わいがあります。
44位:ドラえもん のび太の宇宙小戦争
興行収入 | 21.8億円 |
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上映時間 | 96分 |
公開年 | 1985年3月16日 |
『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』(1985年公開)は、シリーズ第6作にあたる劇場版アニメで、全長98分。監督は柴山努、脚本は原作の藤子・F・不二雄によるもので、大山のぶ代(ドラえもん)、小原乃梨子(のび太)らおなじみの声優が出演しています。
物語は、のび太がピリカ星からやってきた親指サイズの大統領パピを助けることから始まります。彼は反乱軍に追われて地球へ逃亡してきたのです。最初は小さすぎて戸惑うドラえもんたちですが、スモールライトで同じサイズに小さくなってからは心を通わせていきます。そんなとき、反乱軍が攻撃に来て、しずかちゃんが人質に。パピは自分一人で危険を引き受けるものの、ドラえもんたちもピリカ星へ乗り込んで彼を救うために戦いに臨むという筋書きです。
作品の舞台は、「小さな宇宙人」と「反乱軍との戦い」がSF趣向で展開され、ラジコン戦車や秘密基地など、子ども心をくすぐるアイテムが活躍します。とりわけ反乱軍将軍ギルモアとの決戦はスリリングかつ手に汗握る場面で、途中からサイズが元に戻る展開も見どころです 。
この映画は公開当時、スター・ウォーズを意識したという構成(王とレジスタンス、反乱など)があり、冷戦期の影響もある作品として読み解くこともできます。パピというリーダー像の描かれ方も人間味があり、多くのファンから今なお高評価を得ています。
テーマソングは武田鉄矢による「少年期」。印象的な歌詞「ああぼくはどうして大人になるんだろう」が、作品全体のノスタルジックかつせつない余韻を高めています。
45位:ドラえもん のび太の海底鬼岩城
興行収入 | 18.1億円 |
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上映時間 | 94分 |
公開年 | 1983年3月12日 |
『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』(Castle of the Undersea Devil)は1983年3月12日公開、劇場版ドラえもん第4作にあたる大冒険ファンタジー。監督は柴山努、脚本・原作は藤子・F・不二雄自身によるものです。
物語は、夏休みの海底キャンプを楽しむのび太とドラえもんたちが、テキオー灯で海底世界を明るく照らし、水中バギーで探検する中で、巨大イカや沈没船、そして人知れず暮らす“ムー連邦”の海底人たちと出会う展開から始まります。ところが、人間でも海底人でもないロボット軍団「鉄騎隊」の存在が浮上し、地底の古代文明アトランティスとの因縁も明らかに。のび太たちはムーとアトランティスの長年の対立に巻き込まれ、巨大ロボットや鬼岩城を巡る死闘へと挑みます。
「海底世界」という未知なる舞台で、恐怖、友情、冒険、そして人間・海底人・ロボットの間で芽生える絆と共存のメッセージが描かれ、深海という閉鎖空間に広がるドラマは、多くの視聴者の心に刻まれました。特に、感情を育む人工知能の水中バギーとの友情や、海底人エルとの信頼関係、そしてのび太たちの窮地に満ちたドラマチックな展開は、この作品をシリーズ屈指の感動作へと押し上げています。
テレビ朝日などでもたびたび放送され、ABEMAプレミアムでは見放題でも配信されています 。当時のアナログセルアニメならではの味わい深い映像、神秘的で少し怖さも漂う海底世界の演出、そして深海バギーとの絆というエモさが評価され、「大長編ドラえもん」シリーズの中でも根強い人気を誇る一作です。
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